「おっはようございまーす、プロデューサー!」
『おはよー、真! ……って、お前どうしたんだ? その格好。』
「え? あっ、これ、ボクの学校の制服なんですよ。今日は朝早くからちょっとクラスの用事があって、その足でここに来たもんでしたから。」
『へぇ〜、そうだったのか。』(しげしげと見る)
「そう言えばボク、ここに来るときはいつも私服でしたからね。たまにはこういうのも……って、何でボクのことジロジロ見てるんですか? プロデューサー。」
『ん? あ、ああ、いや、別に……』
「んん〜? ……あ! へへっ、どうです? ボクに似合ってますか? このセーラー服。」(クルッと一回り)
 


 
『え?! う、うん、そうだな……その……』
 
 
「その……何です?」
 
 
『そ、その……か……』
「か……?」
『あ! い、いや、何だ……えーっと、お、女の子っぽく見えるな、うん。』
「え〜?! どういうことですか、それ! じゃあ、普段は女の子っぽく見えてない、ってことですか?!(ジロッ)」
『! あー、い、いや、違う! そ、そういう訳じゃなくて……』
「いいですよっ! どうせプロデューサーは、ボクのこと女の子として見てくれてないんでしょうからね!」(背を向ける)
『そ、そんなことないって……なぁ、真……』
「あ〜あ……傷付いちゃったな、ボク……なんかやる気出ないや……今日はこのまま帰っちゃおっかな〜……」
『な?! お、おい、真……! ……お〜い、真さ〜ん……』
「……ふぅ……」(深々とため息)
『あー……いや、俺が悪かった。悪うございました! なぁ、機嫌直してくれよ……何でも言うこと聞くからさぁ……』
「!(クルッ) ホントですか?!」
『うっ……! は、ハイ。何でも聞きます。聞かせていただきます。』(ガックリうなだれ)
「やーりぃ! へっへ〜。(にんまり)それじゃあですね〜……」
『お、お手柔らかに……』
「プロデューサー、今日の予定って、レッスンの後はどうなってましたっけ?」
『ん? えーと……今日は営業は入ってないから……ここでミーティングするつもりだったけど?』
「そっか〜。へへっ、それじゃあ、そのミーティングの前に、ボクの買い物に付き合って下さい!」
『へ? 買い物?』
「そうです! それも、女の子向けの小物とか、可愛い洋服とか! ボクと一緒に見て回って、選んだりして欲しいんです!」
『な、何だってぇ?!』
「だってボク、父さんに普段女の子らしい格好するの禁止されてるせいで、そういうのほとんど持ってないんですよ? だから、こんな機会に思い切って……ってことで!」
『だ、だからってなぁ……俺は男だぞ? それもいい年した。そういった類の物なんか、詳しい訳ないだろ? 春香ちゃんとか、雪歩ちゃんとか、同年代の子と一緒に行けばいいじゃないか!』
「え〜?! プロデューサー、さっきボクの言うこと何でも聞く、って言ったじゃないですか! あれはウソだったんですか?」
『い、いや……それは、確かに……だがなぁ……』
「……自分が面倒を見ているタレントに、平気でウソをつくプロデューサーなんて……ボク、信用出来ないなぁ……(ぽつり)」
『ぐぁっ! ……わ、分かったよ……分かりました。一緒に買い物のお付き合いさせていただきます。(とほほ)』
「さっすがプロデューサー! そうこなくっちゃ! 約束ですよ?(にこにこ)」
『ちぇっ、調子のいい奴め……』
「へへっ。でも、セーラー服姿の女子高生と一緒に街を歩ける、せっかくの機会なんですよ? プロデューサーだって、ホントは嬉しいんじゃないですか〜?」
『そ、そりゃ、まぁ……って、こ、こら! 大人をからかうもんじゃない!』
「はーい、すみませんでした〜!(クスクス)」
『やれやれ……おっと、そろそろレッスンの時間だ! 早く準備、準備!』
「あ、はいっ! それじゃ、支度してきます!」
『よし、分かった。……あ、おい、真、ちょっと……』
「? 何ですか、プロデューサー?」
『い、いや……その……さっきは、すまなかったな。』
「え……い、いいんですよ! ボクが……女の子っぽくないのは……」
『ち、違うんだ! そうじゃなくって……』
「え……?」
『あ……えーとだな、じ、実はな、さっき俺が言いたかったのは……本当は……その……』
「(ドキッ)ほ、本当は……?」
『その……何だ……か、可愛いよ、って……言おうと、思ったんだが……ちょっと、照れくさくてな……ははっ。』
「……え……えぇ〜?! か、か、可愛いって……! ぷ、プロデューサー……ほ、ホントに……?」(真っ赤)
『じょ、冗談で言えるか、そんなこと……!』(こちらも真っ赤)
「…………」
『…………』
「……! ああっ! 遅れちゃう! は、早く準備しなくちゃ! 待ってて下さいね、プロデューサー!」
『え? お、おぅ、分かった。急いでな!』
「はいっ! ……今日のレッスン、ボク、頑張りますよ! 何てったって、終わってからのお楽しみが待ってますから、ね!(にっこり)」
『よし、その意気だ! 今日も一緒に頑張ろうな、真!』
「はいっ!!」
 
“……仲良きことは美しきことかな、だな。”(うんうん)

                                                                                       FIN

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